パワハラ問題を考える( その2)-パワハラが発生しやすい職場の特徴

パワハラが発生しやすい職場のパターンとして、次の5つがあります。

1.上司と部下のコミュニケーションが少ない

「コミュニケーション」とは何でしょうか?多くの管理職は、「自分の職場では結構コミュニケーションが取れていると思う」と答えます。しかし部下に尋ねると「全然コミュニケーションは取れていない」と言います。このギャップはどこから来るのでしょうか?実は上司が、「コミュニケーションしている」という場合、自分の思いや伝達したいことを伝えているだけであって、本当の意味でのお互いを理解し合えていないことが多いのです。つまり部下は、自分の仕事上の悩みや疑問をきちんと聞いてもらい問題解決してもらえなければ、「聞いてもらった」とは思わないのです。一方的なメッセージの発信はあっても、双方向の対話にはなっていないということです。自分のことを十分理解してもらっていないと考える部下にとって、上司が下す様々な指示や業務命令は、時には理不尽、無理無茶と映ります。それがパワハラ主張につながります。上司は、部下の話をまず聞くというスタンスを示す必要があるのです。

2.正社員や正社員以外の様々な立場の従業員が一緒に働いている

昔であれば、パート・アルバイトは例外的、あとは全員が正社員という企業が普通でした。現在、非正規社員(契約社員、パート・アルバイト)の占める割合は約4割になっています。ところが仕事の内容は非正規社員だからといって必ずしも軽いわけではなく、重要な役割を担っていることが多いのです。それが「同一労働同一賃金」の原則から外れていると感じることにつながり、屈折した被害者意識の中で、必要以上に上司の言動に反感を抱かれることがあります。
また元請・下請の関係をもって業務を進める場合、元請側社員の言動が、強圧的、命令的になることがあり、これがパワハラと受け取られることが多々あるので注意が必要です。中には「下請を蔑視している」という被害主張がなされることもあります。

3.残業が多い/休みが取り難い

残業が多い、休暇が取りにくいという職場は、大体において業務量に比して要員不足のところが多く、恒常的慢性的繁忙感の中で、職場の人間関係がギスギスすることが避けられません。お互いに助け合うというよりは、自分の仕事の邪魔をされたくないというメンタリティが強まり、ちょっとしたことで社員間の紛争が発生します。要員不足の問題は経営資源の配分の問題であり、これはすぐれて経営が真正面から向き合い解決する必要があります。

4.他部署や外部との交流が少ない

いわゆる閉鎖的な職場は、特定のリーダーが長期にわたってその職場の業務運営を支配することが多く、そのリーダーが独裁的専制的にふるまうと、パワハラ被害が発生します。この場合、問題がその内部で深く静かに潜行する傾向があります。社内に“聖域” を作らないようにする努力が必要です。

5.従業員間の競争が激しい/業績達成を厳しく追及される

これも「残業が多い/休みが取り難い」職場と同様の現象を引き起こします。成果評価によって賞与、昇給、昇格などが厳しく査定される企業では、職場内で少しのミスも許さない雰囲気が生まれます。ミスや失敗を許容する風土がなく、特定人への必要以上の圧迫や攻撃が行われやすくなり、パワハラ被害の申し立てが頻発します。経営としては、成果評価のメリット・デメリットを総合的に考慮しながら、問題の起きない制度づくりを心掛ける必要があります。